下北沢の映画館「トリウッド」(世田谷区代沢5、TEL 03-3414-0433)で6月17日、映画「ろくでなし」の上映が始まった。
4月~5月にかけて渋谷ユーロスペースと新宿ケイズシネマで上映後、下北沢でも公開が決まった同作。
同作は、渋谷の街を舞台に2組の恋愛を同時に描く、裏社会を生きる人間たちの群青劇。主演は「キャタピラー」「さよなら渓谷」の大西信満さん、「お盆の弟」「下衆の愛」の渋川清彦さん。ヒロイン役は、オーディションで抜てきされた遠藤祐美さんと、ガールズバンドSHISHAMOのPV出演でも知られる上原実矩さん。悪役はベテラン俳優の大和田獏さんが演じる。監督は「東京プレイボーイクラブ」「クズとゲスとブス」の奥田庸介さん。
奥田監督の脚本は、同作の企画のきっかけを作った、シネマ☆インパクトを主催する山本政志監督から変更依頼があったという。
奥田監督は「私が書いたものから結構変わってしまい、山本さんとはだいぶもめた。人の手が入ったシナリオで撮るのは初めてで、現場で自分のエネルギーをどう乗せていくかの課題からアプローチができたのはいい経験になった。自分を譲らず表現した後悔のない出来。作りはエンターテインメントなので、多くの人に受け入れらやすい作品になっているはず」と話す。
「恋愛は嘘がついて回るもの。作品ではそのはかなさをシニカルに描いた。主演の二人である大西さんと渋川さんの男の色気も感じてほしい」とも。
7月1日~7月7日は下北沢の「トリウッド」で、奥田監督の作品「クズとブスとゲス」(2016年制作)を同時上映する。期間中、監督や出演者らによるトークショーや、本編挿入曲を担当した、下北沢を拠点に活動する音楽ユニット「ジャズフラミンゴ」によるライブなど関連イベントを連日開催する。
映画「ろくでなし」の配給会社「コンチネンタルサーカスピクチャーズ」の北川大助さんは「裏社会のイメージが強く、女性が敬遠しそうなチラシのイメージを下北沢での上映から一新し、作中には登場しない、撮影中に撮った笑顔の写真を起用した。新宿と渋谷の2館では男性客が多かったが、下北沢トリウッドの初日の舞台あいさつでは女性客も多かったのでひとまず安心した」と話す。
トークショーについて、「介護といった社会問題も背景にある作品。上映後に作り手の思いや撮影中の話を知れば、理解も深まる。トリウッドならではの近い距離間で、監督やゲストに質問を投げかけるなどしてトークショーも楽しんでほしい」とも。
チケット料金は、一般=1,800円、学生=1,500円、シニア=1,200円。火曜休館。「ろくでなし」上映は7月14日まで。