下北沢のコミュニティースペース「リンク・パーク」(世田谷区北沢2)が8月2日から、下北沢駅前、シモキタフロント前に展開されている。
同スペースは、北沢エリアの小田急線上部利用施設の利活用や周辺のまちづくりを考え実行していく「北沢PR戦略会議」内で生まれたプロジェクト。2019(平成31)年春から下北沢一番商店街 栄通りの空き地を利用し、人工芝や青いボックス型の椅子などを用意して無料解放してきた。
同プロジェクトメンバーの谷口岳さんは「下北沢駅前では開発工事に伴い、建物が柵で囲われたり、空き地が生まれたりしており、私たちはこれを生活者や来街者にとっての有効な『仮の公共空間』に転換していくことを目的に活動してきた。現在は主に座る場所が少ない下北沢駅周辺に、座って休める場所を作っており、その場所があることによって、人と人とのつながりが生まれることを期待している。このようなある種の実験を重ねることで、やがて求められるであろう固定的な下北沢駅前周辺の姿を具現化できるはず」と話す。
下北沢駅前に展開したのは今回で2回目、シモキタフロント前は初。人工芝を敷き、ソーシャルディスタンスを保って青いボックス型の椅子を並べた。「駅の改札正面は多くの方が待ち合わせに利用されており、シモキタフロント前は休憩のために利用されていることが多い。どちらも工事中のアスファルトとフェンスが続く風景の中に、人工芝の緑と青いボックスがよく映えていることが喜ばれている」という。
駅前では、ゴミ拾いやゴミのマナー向上の啓発活動も行っている。谷口さんは「路上で歌う人やそれを聴く人、座っておしゃべりしながら飲食を楽しむ人、それらはそれぞれの自由な街の楽しみ方であり、その雰囲気に下北沢の魅力を見出している方も多くいらっしゃる。しかし、その場限りの楽しさでゴミを散らかすなどマナーが悪いと、その部分だけが問題視され、それらの下北沢の楽しみ方が禁止されてしまう。下北沢ががんじがらめに縛られた不自由な街になってしまわないために、このようなボランティアを続け、いずれ仕組み化が必要になる時期に備えて実験を続けたい」と意気込む。
今月16日まで。