10月7日から下北沢の小劇場「劇」(世田谷区北沢2)で行われる公演「東京しもきたサンセット」で、22年の歴史に幕を下ろす「劇団前方公演墳」の劇団員が現在、映画製作に取り組んでいる。
同劇団は以前クラウドファンディングで400万円以上を調達し、2008(平成20)年に監督・脚本から出演まで劇団員が務めた初の映画「セブンガールズ」を公開。当初1週間限定公開の予定だったが、好評を博しアンコール上映や延長上映を重ねてきた。
今回製作する「演者」の原作は、同劇団が創立20周年企画公演として上演した「カクシゴト」の中の一つ。前作で果たすことができなかった海外上映、国内外の各映画祭への出展を目指す。来年夏に完成披露試写会を予定している。
今回は劇団での制作ではなく、劇団員の小野寺隆一さんが個人で企画、脚本、監督を務め、クラウドファンディングで資金を募る。小野寺さんは「まだ始まったばかりだが、多くの皆さまから連絡を頂いている。青い思いばかりだが、熱いメッセージが届いている。プロジェクトに参加するだけで、共に歩むだけでも楽しんでいただけるように進んでいく覚悟をした」と話す。
「下北沢の小劇場文化は世界に誇れるもの。たくさんの天才たちにより、たくさんの名作が毎日上演されているが、再演されなければその天才も名作も、あっという間に通り過ぎていく。配信やDVD化など、さまざまに工夫しているが、僕は映画化というやり方もあるぞと思っている。ユーチューブが当たり前になった今、下北沢発信の名作がたくさん生まれるといいなと想像している。僕たちはどこにも消えてなくならない。いろいろな形で、たくさんの思いで届けたい」とも。
募集期間は11月15日まで。