「シネマアートン下北沢」閉館-惜しむ声続々、再開嘆願の署名も

「シネマアートン下北沢」(6月7日撮影)。「古書ビビビ」の店主、馬場さんは「まだ閉館とは思っていない。悲観せず、一ファンとしていつ再開できるかを考えていきたい」と話す。

「シネマアートン下北沢」(6月7日撮影)。「古書ビビビ」の店主、馬場さんは「まだ閉館とは思っていない。悲観せず、一ファンとしていつ再開できるかを考えていきたい」と話す。

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 下北沢南口の映画館「シネマアートン下北沢」(世田谷区北沢1、TEL 03-5452-1400)が6月6日のレイトショーをもって閉館した。

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 同館は「シネマ下北沢」として1998年にオープン。その後現在の呼称となり、現在まで続いてきた。館内は50席と小規模ながら、若手監督作品の上映や、「美術監督」や「12人の監督のデビュー作品」など、60年代から現在のものまでを集めた特集上映なども企画。独自の上映ラインアップを支持するファンも多かった。映画を見なくても利用することのできる館内喫茶店も人気を集めていた。

 閉館は6月に入ってから急きょ決定。同館サイトでは、閉館の理由について「親会社の経営悪化のため」とだけ説明している。

 6月5日・6日の上映後には有志による再開嘆願の署名も行われた。署名に参加した、同館近くの「古書ビビビ」の店主、馬場幸治さんは「6日に訪れた際には人だかりができていた。急な署名活動だったが、2日合わせて100人以上が署名したのでは」と話す。

 6日のレイトショーが公式上映としては最後になったが、スタッフによる「自主上映」の形で6月14日・15日に「永遠異来灯WILIGHTS-トワイライトワイライツ-」(天野天街監督)の上映が行われる。俳優のあがた森魚さん(14日)、映画監督の坪川拓史さん(15日)を招き、天野監督とのトークショーも予定する。10時45分開場、11時開演。前売り1,500円など。15日以降の「自主上映」の予定はない。

 市民団体「SAVE THE 下北沢」代表の下平憲治さんは「下北沢の文化としてシネマアートンを残す努力をしていきたい。これで終わりではない」と話す。作中に同館が登場する小説「下北沢」(リトル・モア)などの著作がある作家の藤谷治さんは「あの場所に映画館ができると聞いた時から楽しみで工事中から通っていた。最近では珍しい、コミュニティーとしての機能を持った映画館だと思う。何とかして続けてほしい」と再開への期待を託す。

 同館閉館により、下北沢の映画館は短編映画館「トリウッド」(世田谷区代沢5)のみとなる。

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