下北沢の作家・藤谷治さんが新刊-最新作は自伝的青春小説

藤谷さんは最近、客がいない時を見計らい、店内でチェロの練習をしていることもあるのだそう

藤谷さんは最近、客がいない時を見計らい、店内でチェロの練習をしていることもあるのだそう

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 下北沢南口の書店「ficciones(フィクショネス)」(世田谷区北沢2、TEL 03-5430-6352)の店主で、作家の藤谷治さんが10月29日、書き下ろし長編小説「船に乗れ! I 合奏と協奏」(ジャイブ)を刊行した。

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 同書は藤谷さんの13冊目の小説。音楽一家に生まれた主人公がチェロを学びながら、同じ夢を持つ仲間と共に過ごすことで成長していく青春小説。3部作としての1冊目で、今後、「II」「III」が刊行予定。藤谷さん自身、高校生のころにチェロを習っていたことがあり、自伝的要素の強い作品となっている。藤谷さんの作品にはこれまで、女子中学生を主人公とした「誰にも見えない」(小学館)などがあるが、高校生が主人公の作品はこれが初めて。

 ジャイブの担当編集者、根本篤さんは「藤谷さんは気さくで話好きで、とてもサービス精神旺盛な人。その反面、とても繊細で少年の心を隠し持っている。これまでの小説は、藤谷さんのサービス精神を感じる作品が多かったが、今回は繊細な部分が多く表れ、本来の姿を感じることのできる作品になっていると思う」と話す。

 価格は1,600円。本書のスピンオフ短編「再会」を収録したアンソロジー「Heart Beat(ハートビート)」(ジャイブ、1,575円)も発売中。

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