下北沢で「中東カフェ」-アイデンティティーの観点から中東問題とらえ直す

前の4人が講演者。向かって右から2人目がルティさん

前の4人が講演者。向かって右から2人目がルティさん

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 下北沢北口の「es cafe/Dining(エスカフェ・ダイニング)」(世田谷区北沢2、TEL 03-5452-0508)で11月16日、中東問題について話し合う「第10回中東カフェ」が開かれた。

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 「私のなかの『ユダヤ人』-アイデンティティーを見つめ直す」と題された今回は、ゲストに「私の中の『ユダヤ人』」(現代企画室)の著者で、第2次世界大戦中に迫害を受けたポーランド系ユダヤ人の両親を持つルティ・ジョスコヴィッツさんが招かれた。

 ルティさんは1949年、イスラエルに生まれた。その後、家族でパリに移住した後、十代で再び1人でイスラエルのキブツへ。そこで日本人写真家の広河隆一さんと出会い、初めてパレスチナ問題を知ったという。やがて来日し広河さんと結婚するが、そこで日本への帰化申請を却下された。同会では、「アイデンティティー」と常に向かい合ってこなければならなかったルティさんのこれまでの生涯を振り返りながら、中東問題をとらえ直した。

 当日は立ち見が出るほどの盛況。年齢層も幅広く、中東への関心の高さが伺えた。会の後半で行われた質疑応答では、現役のテレビ局記者や中東問題を勉強する学生から、「自分の中の『ユダヤ人』を意識するのはどんな時か」「中東問題について、日本人の立場で何ができるのか」などの質問が出た。

 主催である中東カフェのアレズ・ファクレジャハニさんは会の終了後、「下北沢の雰囲気なのか、他の会場より当日参加が多かった。うれしかったのは、若いカップルが来てくれたこと。難しく思われることの多い『中東』に気楽に触れられる機会を作るのがこのプロジェクトの目的。カップルがデートを楽しむ感覚で来場できる機会を今後も作れるように努力する」と話していた。

 来月の「中東カフェ」は、「服を選ぶ、アイデンティティーを選ぶ」と題して「渋谷UPLINK」(渋谷区)で行われる。

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