平均年齢79歳のベテラン劇団、下北沢で熱演

そろい踏みで歌舞伎よろしく見栄切る場面も(撮影:飯田研紀)

そろい踏みで歌舞伎よろしく見栄切る場面も(撮影:飯田研紀)

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 下北沢の劇場ザ・スズナリ(世田谷区北沢1、TEL 03-3469-0511)で12月12日より、パラダイス一座による舞台「続オールド・バンチ~復讐のヒットパレード!」が行われている。

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 企画・演出は、劇団流山児★事務所を主宰する流山児祥(りゅうざんじ・しょう)さん。同作は、2006年に3年間期間限定で旗揚げした劇団「パラダイス一座」による2回目公演。流山児さんは11年前に自身の母親を看護した経験から、人間が歳を重ね、さまざまなことを経験しながら変わっていく姿を面白く感じ、メンバーが全員45歳以上の劇団「楽塾」を旗揚げ。同劇団の活動を通じて、中高年の人たちと舞台を作り上げる楽しさと演劇の力を再認識し、この活動の延長として演劇界の重鎮をキャストに迎えた同企画を立ち上げたという。

 物語の舞台は、老人福祉施設ひまわり。同劇団メンバーは、東京オリンピック開催に沸き立つ時代に暗躍したかつての「伝説の殺し屋」に扮し大活躍。コメディータッチの舞台では、物語の流れもおかまいなしにナツメロを熱唱したり、わざととぼけて同じせりふを繰り返したりする場面も。会場は爆笑に包まれている。

 パラダイス一座のメンバー6人の平均年齢は79歳。文学座の創立に参加した演出家戌井市郎さんをはじめ、アニメ・ドラえもんの初代スネオ役の声優も務めた肝付兼太さん、本多劇場をはじめとする劇場運営を手がけ、今年2月にも新たな劇場「楽園」をオープンさせた本多一夫さんら、現在も演劇界で活躍する大ベテランたちが顔をそろえた。そのほか、流山児★事務所の若手俳優陣も加わり、舞台を盛り上げる。広報用に使われたポスター撮影は、アラーキーこと荒木経惟さんが担当。「大人の不良」をモノクロの枠に収めた。

 流山児さんは、「俳句や歌舞伎に代表されるように、江戸時代には老人が文化をリードしていた。生きるのに正しい身体というものはなく、演劇も若い人たちだけのものではない。老いざまを魅せるのも芝居者の仕事。舞台に生きる人生の達人たちによる『ライブ』を見てほしい」と話している。

 公演時間は15時と19時から。前売り=4,500円、当日=5,000円。今月21日まで。

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