世田谷文学館(世田谷区南烏山1、TEL 03-5374-9111)で現在、「筒井康隆展」が開催されている。
作家・筒井康隆さんの大規模な展覧会は初。担当した同館学芸部の中垣理子さんは「展示室全体を、筒井さんの歩みをたどる立体的な年譜で構成している。書籍や原稿、自筆の資料といった約1000点に上る資料のほか、筒井さん所蔵のSF関連の書籍が並ぶ『筒井書店』、俳優として出演した演劇作品を上映する『筒井康隆劇場』など、膨大かつ多ジャンルの作品を一人の作家が生み出したというすごみを体感できる構成にしている」と話す。
10月6日に開始して以来、若年から熟年層まで幅広く来館しており、特に40~50代の男性の姿が多く見られるという。
筒井さんの魅力について、「ファンに『あなたの一番好きな作品は?』と質問すると、実に多くの作品の名前が挙がる。筒井さんほど広範囲の年齢層に愛されている作家はいない。しかも予想をはるかに超える多彩な作品を次々と生み出してくださるので、読者である私たちは本当に幸せだと思う」と中垣さん。
「多元宇宙、予測不能、超前衛。決まり事のない唯一無二の筒井さんの世界観を展示空間に入り込み、全身で体感してほしい」とも。
会期中は筒井さん所蔵のSF本や秘蔵の品々を販売するオークションイベントやトークイベント、朗読会、ミニ古本市などを開催する。
開館時間は10時~18時(展覧会入場、ミュージアムショップの営業は17時30分まで)。月曜休館。入館料は一般=800円、65歳以上・高校・大学生=600円、小・中学生=300円。12月9日まで。